サバに含まれるオメガ3脂肪酸(DHA)は男性不妊を改善する?ー妊活
サバや大豆などには、DHAを始めとしたオメガ3脂肪酸が含まれています。
ここでは、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸を摂取することにより、男性不妊が改善されたという論文を紹介します。
尚この記事は
「The Effect of Omega-3 Fatty Acids, EPA, and/or DHA on Male Infertility: A Systematic Review and Meta-analysis」
の論文を解説しています。
精巣にはオメガ3脂肪酸が多く存在する
精巣にはDHAやDPAなどのオメガ3脂肪酸が多く存在しています。
これまで様々なオメガ3脂肪酸摂取による精子への影響が見られてきたものの、実際どのような影響を及ぼすのかは分かりませんでした。
そこで、メタ解析という手法を用いて、1990年から2017年までに行われた実験を対象にして、
DHA又はEPAを摂取した147人の男性不妊患者と、対照群となる143人の患者を比べました。
DHA又はEPAの摂取は精子の運動性を向上させる
メタ解析を行った結果、DHA又はEPAを摂取させると、精子の運動性が飛躍的に向上することが分かりました。
(RR 5.82, 95% CI [2.91, 8.72], p <0.0001, I2 = 76%)
※データは論文より引用
(正常に運動している精子数の増加という意味と思われるが、記載なし)
DHAの摂取は精子濃度を向上させない
一方、DHAを摂取しても精子濃度は向上することはありませんでした。
(RR 0.31, 95% CI [-8.13, 8.76], p =0.94, I2 = 95%)
※データは論文より引用
運動性の向上は精漿のDHAによる?
DHAを摂取すると、精液に含まれるDHAの濃度は上昇しました。
(RR 1.61, 95% CI [0.15, 3.07], p =0.03, I2 = 98%)
※データは論文より引用
一方、精子に含まれるDHAの濃度は変化していませんでした。
(RR 0.50, 95% CI [-4.17, 5.16], p =0.83, I2 = 99%)
※データは論文より引用
以上のことから、DHAを始めとするオメガ3脂肪酸の摂取は、精液における精漿成分に対して働き、精子の運動性の向上に働いた可能性があります。
実験まとめ
今回の論文では、1990年から2017年までの男性不妊の患者の方を対象として、
ということが分かりました。
精子の運動性は、男性不妊を調べるときの大きな指標の1つです。
精子の運動性が向上すると、卵子までの運動が正常化され、受精に繋がりやすくなります。
そのため、精子が異常な動きをしていたり、そもそも動いていなかったりすると、男性不妊と診断されることがあります。
今回の論文では、DHAやEPAを摂取することにより、男性不妊の患者の方達の精子の運動性が向上しました。
これは、オメガ3脂肪酸の摂取が男性不妊を改善する可能性が示唆しています。
オメガ3脂肪酸と男性不妊の関係を調べた他の論文が知りたい方は、
まとめサイトであるDHA/EPA/DPA(オメガ3脂肪酸)は男性不妊に関係する?-妊活を参考にしてください。
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参考論文
著者;Hosseini B et al
雑誌名;J Diet Suppl (2019)
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