サバなどに含まれるオメガ3脂肪酸の摂取は胚の質を向上させる?-妊活
DHA(オメガ3脂肪酸)はサバやイワシなどの青魚やゴマなどにに含まれている物質です。
ここでは、ALA、DHAの摂取が胚の質を向上させたという論文を紹介いたします。
尚この記事は
「Increased preconception omega-3 polyunsaturated fatty acid intake improves embryo morphology」
の論文を和訳しています。
実験方法
オランダにおいて、IVFまたはICSIを受けている方235人(平均年齢35.0歳)を対象にして、4週間における、オメガ3脂肪酸と胚質の影響を比較した。
評価対象としてはエストラジオールの量や、採卵時の卵胞の数、そして、胚盤胞期胚の質を1~5段階で評価を行いました。
オメガ3脂肪酸はαリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の三種類を別々に評価しました。
実験結果
こちらが実験結果となります。
EPA,DHAの摂取により、卵胞数は減少していました。
EPA(β= -1.49(0.49)、P ≤.01)、DHA(β= -1.60(0.49)、P ≤.01)。
加えて、EPA,DHAの摂取は、エストラジオールの減少を示していました。
EPA(β= -1100.2(498.4)、DHA(β= -1065(492.6)、P ≤.05)。
卵胞数が減少すると、エストラジオールを合成する顆粒膜細胞の数が減少するため、EPA、DHAの摂取はエストラジオールの減少を示したのではないかとされています。
ただし、マウスの実験などでは、オメガ3脂肪酸摂取により排卵数が増加するという知見も報告されています。
これは、サプリメントなどを用いて高濃度にオメガ3脂肪酸を与えた結果によるものではないかとされており、EPA,DHAの摂取による卵胞数の減少はあまり考えなくてもよいとされています。
一方ALAの摂取はエストラジオールの増加を示していました。
これは、オメガ3脂肪酸はコレステロール合成を促し、エストラジオールの前駆体として働くためです。
そのため、ALAの摂取は、卵胞のステロイド合成を改善する可能性が示唆されていました。
そして、
ALAとDHAの相対的な摂取量が多い人は、胚の質が有意に高いことが分かりました。
ALA(β= 0.56(0.26)、P ≤.05)、DHA(β= 0.18( 0.09)、P ≤.05)。
マウスを使った論文などでは、胚質が悪化するという知見も報告されています。
しかし、筆者たちは、235人を対象とした今回の研究と比べて、胚の質が悪化した実験はデータ数が少ないと否定しています。
まとめ
今回の論文では、オランダにおいて、IVFまたはICSIを受けている235人を対象にして、オメガ3脂肪酸と胚の質の関係を示しました。
結果として
オメガ3脂肪酸の摂取量が高いと、胚の質が改善される
ということが分かりました。
論文では、不妊治療を行っている方はで高齢の方は、週2回の魚類の摂取をして、オメガ3脂肪酸を摂取するべきだと促していました。
DHAと妊活の関係を調べた他の論文が知りたい方は、
まとめサイトである鯖缶で注目のDHA/EPA(オメガ3脂肪)は女性不妊を改善する?-妊活を参考にしてください。
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参考論文
著者;Hammiche F et al
雑誌名;Fertil Steril (2011)
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