DHA/EPA/DPA(オメガ3脂肪酸)は男性不妊に関係する?-妊活

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DHA/EPA/DPA(オメガ3脂肪酸)は男性不妊に関係する?-妊活

DHAやDPAといった名前を聞いたことがある方は多いと思います。

これらはイワシやサバなどの青魚に多く含まれているオメガ3脂肪酸のことです。
オメガ3脂肪酸は頭がよくなる、体にいいと言われてきました。

このオメガ3脂肪酸が男性不妊に関係するという論文を紹介していきたいと思います。

DHAが精子形成に関係する分子的解明

DHAが生態環境に関係することが分かっていましたが、分子的なメカニズムは不明なままでした。
DHAはDHA単体として存在するだけでなく、DHA含有リン脂質としても存在しています。
今回DHAをDHA含有リン脂質に合成するLPAAT3を欠損させたマウスを利用して実験を行いました。

すると、LPAAT3欠損マウスでの人工授精は0%となり、精子の奇形率も90%となりました。
電子顕微鏡で観察すると先端が折れ曲がっていることが分かりました。


※1より引用

原因としては、精子形成における細胞質の除去に異常が現れたことになります。
精子は、精子細胞の細胞質が除去されることで形作られていきます。

LAPPT3は精子への分化過程で発現し、DHAをDHA含有リン脂質に合成し、細胞質の除去をしていることが分かりました。

このことから、精子形成においてはDHAによって合成されるDHA含有リン脂質が必要であることが分かりました。

DHAとDPAが精子形成に関与

精巣においてDHAやDPAが他の臓器に比べて多いことが知られています。
今回DHAやDPAを調節するAcsl6を欠損させたマウスを利用して実験を行いました。
Acsl6欠損させると精巣においてDHAやDPAの濃度が減少しました。

※2より引用

さらに、Acsl6を欠損させたマウスにおいて精子細胞が形成不全を引き起こし、男性不妊に繋がることが分かりまし。

※2より引用

図から分かるようにAcsl6を欠損させたマウスでは精子の数が減少していました。

これらのことから、精子形成においては、精巣におけるDHAやDPAが必要であることが分かりました。

DHA/EPAを摂取すると精子の運動性が増加?

それではこれから男性がDHAなどのオメガ3脂肪酸を摂取したときの効果に関して説明していきます。
この論文では不妊の男性を対象にDHAやEPAを摂取したときの評価をしました。

DHAやEPAを摂取すると、精子の運動性は2.91から8.72(p <0001)と有意に増加したことが分かります。
※3より引用

一方、無精子症の患者にDHAを摂取しても精子の運動性は向上しないという論文もありました。


※4より引用

しかし、この論文では、先ほど述べたDHA含有リン脂質が増加するという報告もあります。

無精子症の場合にはDHAなどのオメガ3脂肪酸の効果は薄いのかもしれません。

一方精子形成異常の方や、無精子症ほどの重症な不妊症でない方には有効なのかもしれません。
無精子症の方はTESEなどの治療法がありますので、ぜひ不妊病院にかかってみてください。

まとめ

以上、男性不妊に関係するオメガ3脂肪酸の論文を紹介いたしました。

後半はオメガ3脂肪酸摂取による男性不妊への効果などを紹介しました。
精子の運動性向上という論文と、変化なしという論文のそれぞれを紹介させていただきました。

精子の運動性が向上したという論文が報告されていることからも、オメガ3脂肪酸摂取により、男性不妊が改善できる可能性が示唆されています。

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気になる男性は、一度夫婦またはカップルで飲んでみてもいいかもしれません。



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女性の方は鯖缶で注目のDHA/EPA(オメガ3脂肪)は女性不妊を改善する?-妊活を参考にしてください。

参考論文等

※3 論文タイトル;The Effect of Omega-3 Fatty Acids, EPA, and/or DHA on Male Infertility: A Systematic Review and Meta-analysis.
著者;Hosseini B et al
雑誌名;J Diet Suppl (2019)
※4 論文タイトル;Effect of DHA Supplementation on DHA Status and Sperm Motility in Asthenozoospermic Males]
著者;Conquer JA et al
雑誌名;Lipids (2000)



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