妊活には牛肉が最適?牛肉の成分から考察する
妊活をしていると、食事に関してもかなり気をつけなければいけません。
妊活中に摂取した栄養は、卵子や精子に影響を及ぼすことが多いからです。
近年の妊活中の食事生活の主流は、
植物性タンパク質を摂った方がいい。
となっています。
しかし、お肉も食べたいですよね。
ここでは、妊活中にもお肉を食べたいという方向けにおすすめの食材である牛肉の素晴らしさを説明していきたいと思います。
なぜ牛肉か
牛肉にはタンパク質・ビタミン・L-カルニチン・鉄分・亜鉛といったミネラル類が豚肉、鶏肉に比べて豊富に含まれています。
タンパク質・ビタミン・L-カルニチン・鉄分・亜鉛といった成分は、子供が成長する上で欠かせないものです。
さらに、牛肉には必須アミノ酸であるトリプトファンと呼ばれる成分も含まれています。
トリプトファンは幸せホルモンセロトニンや、抗酸化物質メラトニンの材料で、妊活にはとても重要です
それでは、牛肉の主成分がどのように妊活に関係するのか見ていきましょう。
タンパク質
タンパク質は妊活で必要な主成分の1つです。
皮膚、筋肉、血管、内臓、骨、歯、爪はもちろんのこと、酵素やホルモンもタンパク質から作られます。
タンパク質は胎児の形成に必須となるため、妊娠期のタンパク質の摂取は重要となります。
また、排卵や妊娠維持に関係する女性ホルモン、精子を作るために必要な男性ホルモンなど、ホルモンは妊活において必要な物質の一つです。
ホルモンの材料はタンパク質です。
そのため、妊娠までの期間においても、男女問わずタンパク質を摂取することが必要となります。
亜鉛
亜鉛は男性女性どちらにおいても妊活には重要です。
女性
女性の場合、卵子形成や排卵に関わるホルモンであるFSHやLHの働きを高めるのに重要であることが知られています。
また、亜鉛は受精卵の正常な分裂や、妊娠期における胎児の成長にも必須となります。
男性
男性の場合、必要な男性ホルモンであるテストステロンの合成に必須となります。
テストステロンの増加は、精子形成、精子運動性向上に関係します。
また、前立腺の機能向上にも寄与すると言われています。
(EDの防止になる)
以上のことから亜鉛は、妊活に必須の成分と言えます。
鉄分
鉄分は特に女性において重要です。
まず女性は、生理により常に鉄分が不足しがちになることを忘れてはいけません。
妊娠前も、受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くするためや、卵子の成長にも必要となります。
妊娠すると、さらに鉄分が必要となります。
なぜなら、女性は、お腹の中の胎児に酸素を運搬しなければいけないからです。
鉄分は酸素の運搬という重要な役割があります。
妊娠後期には体内で移動する血液量は1.5倍にもなると言われており、これほどの血液を循環させるためには、かなりの鉄分が必要となるでしょう。
さらに、胎児の形成にも鉄分は必要となるため、妊娠後期にはかなりの鉄分が必要となります。
ビタミンB
ビタミンB群には妊活で重要視されている葉酸が含まれています。
葉酸は妊娠期の胎児の脳の発育を補助すると言われています。
この葉酸が働くときに、ビタミンB12も同時に働くため、妊活にはビタミンB12の摂取も必要となります。
そして、ビタミンB12が多く含まれている食材が牛肉なのです。
L-カルニチン
L-カルニチンは生体の脂質代謝に関わるビタミン様物質の一つです。
L-カルニチンの働きは、ミトコンドリアに働きかけ、脂肪を燃焼します。
まず第一に、過剰な脂肪酸が卵胞内に放出されるため、肥満になると卵子の質を低下させることが知られています。
(詳しくはこちら)
牛肉により脂肪が燃焼されれば、結果的に卵子の質向上に繋がります。
また、近年になり、受精卵の脂肪が胚発生に関係することが報告されています。
そして、L-カルニチンの添加が初期胚発生の発生率向上に寄与することも知られています。
(詳しくはこちら)
このことから、L-カルニチンは受精卵以降の発生率向上に関係すると言われています。
そのため、L-カルニチンは妊活サプリメントとしての期待も高まっています。
L-カルニチンは、肉の中でも、特に牛肉に多く含まれていることが知られているため、妊活に直結すると言えるでしょう。
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10はミトコンドリアで働く補酵素の一つです。
ミトコンドリア機能は、卵子と精子どちらにも影響します。
そのため、ミトコンドリアサプリメントの摂取は、
男性の場合、造精機能向上や、受精率向上に寄与する
ことが報告されています。
(コエンザイムQ10の女性への影響について詳しくはこちら。
コエンザイムQ10の男性への影響について詳しくはこちら)
抗酸化能力もあるコエンザイムQ10は妊活サプリメントにおいても必須といえるほど含まれています。
トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸の一つです。
トリプトファンはストレス耐性ホルモンセロトニン、通称「幸せホルモン」の材料となります。
牛肉やステーキを食べると幸せに感じるのは、牛肉にトリプトファンが多く含まれているからです。
妊活で最も重要視すべきは、ストレスの緩和です。
注射を打ったり、生理の恐怖におびえたりと、妊活中はストレスフルな状況が続きます。
しかし、ストレスは不妊や流産などの大きな原因の一つで避けなければいけません。
牛肉を食べて、ストレスを緩和することは結果として妊活に繋がります。
さらに、セロトニンは、寝ているうちにメラトニンと呼ばれる物質に変換されます。
メラトニンは抗酸化物質の一つで、妊娠率向上に寄与するという論文が複数報告されています。
(メラトニンと妊活の関係は京野アートクリニックのメラトニンとレスベラトロールの効果などを参考にしてみてください)
ストレス緩和&抗酸化作用という面からも、トリプトファンは妊活に必要な物質の一つです。
ただし摂りすぎには注意
妊活に良い、とはいえ、何事もやりすぎには注意が必要です。
牛肉の摂りすぎは、鉄分の摂りすぎを引き起こしてしまいます。
牛肉の食べすぎによる、過剰な鉄分はチョコレート嚢胞や、子宮内膜症を引き起こしやすくなることが知られています。
チョコレート嚢胞や子宮内膜症は、不妊の原因の1つです。
妊活のために食生活を変えた結果、不妊になったのでは溜ったものではありません。
加えて、牛肉の食べすぎは、肥満を引き起こしてしまう可能性があります。
肥満は、卵子の質を悪化させ、発生率妊娠率の低下となります。
(詳しくはこちら)
さらに、牛肉にはビタミンAが多く含まれています。
妊娠初期(~3ヵ月)のビタミンAの取りすぎは胎児奇形を引き起こすともいわれているため、注意してください。
まとめ
以上、牛肉に含まれるタンパク質・ビタミン・L-カルニチン・鉄分・亜鉛・トリプトファンが、妊活において重要な働きを示す理由を説明してきました。
植物性タンパク質や魚介類が妊活において重要になることもあるでしょう。
しかし、肉を食べたくなる時は必ずあります。
そんな時は、牛肉を少しでも食材に置いておいてもいいのではないでしょうか。
様々な成分は、妊活を補助してくれるはずです。
(※ただし、取りすぎにはご注意を)
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