L-カルニチンは胚発生率を改善する?ーミトコンドリア妊活

L-カルニチンは胚発生率を改善するーミトコンドリア妊活妊活

L-カルニチンは胚発生率を改善する?ーミトコンドリア妊活

L-カルニチンとは、細胞内で蓄えられた脂肪酸をミトコンドリアでエネルギーとして使用するために必要なものです。

元々、L-カルニチンは脂肪の燃焼効果があることが知られており、ダイエット効果があると言われていました。
このL-カルニチンが妊活に関係する可能性が近年報告されています。

この記事では、培地にL-カルニチンを加えると、胚発生率が向上したという論文を紹介させていただきます。

なお、この記事は「Beta-oxidation is essential for mouse oocyte developmental competence and early embryo development」を翻訳解説させていただきます。

脂肪酸とミトコンドリア

脂肪酸とミトコンドリアの関係
脂肪酸は細胞内に蓄えられている脂質のことです。

脂肪酸はミトコンドリアへと運ばれた後、β酸化(脂肪の燃焼ともいわれる)という方法でエネルギー(ATP)が合成されます。

しかしながら、脂肪酸(Fatty-Acyl-CoA)はミトコンドリア内部に取り込まれることができません。
そこで脂肪酸はL-カルニチンと結合し、Fatty-Acyl-Carnitineとしてミトコンドリアに取り込まれたのち、ミトコンドリア内で再び脂肪酸(Fatty-Acyl-CoA)になります。
(つまり、L-カルニチンは、ミトコンドリアが脂肪酸をエネルギーとして利用するために必要ということ)

この脂肪酸はβ酸化によりアセチルCoAへと変換され、ミトコンドリアがATP合成をするTCA回路へと回されます。

近年になり、初期胚発生に脂肪酸が必要なことが報告され始めています。
(詳しくは卵子の発生には脂肪が必要?―ミトコンドリア妊活を参考ください)

β酸化は初期胚発生に必要

β酸化の阻害は発生率を低下させる

β酸化が初期胚発生に必要かどうかを検証するために、阻害剤であるEtomoxirを培地に添加しました。

すると、4-8細胞期、および胚盤胞期胚までの発生率が有意に低下しました。

実際にβ酸化を阻害すると胚発生率は低下したことから、β酸化が初期胚発生に必要である可能性が示唆されました。

L-カルニチンの添加は発生率を向上

L-カルニチンの培地添加は発生率を向上させる

前述したように、脂肪酸をミトコンドリアでエネルギーとして利用するためにはL-カルニチンが必要です。

そこでL-カルニチンを培地に添加すると、胚盤胞期胚までの発生率は有意に向上しました。

L-カルニチンの培地添加は胚盤胞期胚の孵化率を向上させる

さらに、L-カルニチンを培地に添加すると、胚盤胞期胚の孵化率が向上しました。
(つまり、質の高い胚盤胞期胚ができたということ)

L-カルニチンの人への影響

ヒトにおけるL-カルニチン給与に対する効果が、IVFなんばクリニックによって発表されています。

平均年齢39.1歳の患者を対象に、毎日L-カルニチンを1000mg摂取してもらったところ、以下の結果が得られた。

受精率(78.5% vs 83.8%;p<0.05)
胚盤胞到達率(30.9% vs 50.0% ; p<0.05)
良好胚盤胞率 (14.3% vs 40.0%;p<0.01)
胚移植あたりの妊娠率(19.0% vs 51.7%;p<0.05)

L-カルニチン摂取により、受精率、胚盤胞期胚までの発生率、胚盤胞期胚の質、妊娠率のすべてにおいて有意に向上する結果が得られた(※より引用)。
詳しくはこちら

L-カルニチンの含まれている食材

L-カルニチンは必須アミノ酸であるリジンとメチオニンから生合成されます。

肉に多く含まれていることが知られており、ラム肉>牛肉>豚肉>鶏肉の順に含有量が多いです。
特に、骨格筋に多く含まれているため、赤身肉に多く含まれています。

また、魚だとブリ、サバ、カツオなどに含まれています。

L-カルニチンは元々、脂肪燃焼効果が期待されていました。(脂肪燃焼に直接関係するため)
そのため、多くのサプリメントが発売されています。

厚生労働省では、摂取量の上限を1日1000mgと定めているため、摂取する際は参考にしてください。

L-カルニチンのまとめ

以上のことから、L-カルニチンを培地に添加すると、胚盤胞期胚までの発生率が向上することが分かりました。
加えて、ヒトにおいても、L-カルニチンを摂取すると、胚盤胞期胚までの発生率が向上するだけでなく妊娠率も向上することが分かりました。

L-カルニチンは赤身肉に含まれているため、食事の際は検討してみてください。
また、L-カルニチンが含まれているサバなどは妊活に必要なDHAなどのオメガ3脂肪酸を多く含んでいます。
(オメガ3脂肪酸に関しては、鯖缶で注目のDHA/EPA(オメガ3脂肪)は女性不妊を改善する?-妊活を参考にしてください。)

また、L-カルニチンはダイエット効果があることが知られており、幾つものサプリメントが発売されています。
Lカルニチンを毎日摂取することが難しい方は、サプリメントの検討もしてみてください。

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参考論文等
画像はすべて下記論文より引用

Beta-oxidation is essential for mouse oocyte developmental competence and early embryo development
著者;Kylie R Dunning 等
雑誌名;Biology of reproduction (2010)
胚質不良例に対する L-カルニチンの有効性に関する検討
発表者;小倉里香 等
第30回日本受精着床学会(2012)

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