妊活するならどの下着?ボクサーパンツとトランクスの精子への影響

妊活するならどのパンツ?ボクサーパンツとトランクスの精子への影響男性不妊

妊活するならどの下着?ボクサーパンツとトランクスの精子への影響

妊活を始めていくうえで、男性は下着が重要になることを知っていますか?

実は、トランクスなどのゆったりしたパンツに比べて、
ボクサーパンツのような身体にフィットする下着は、
男性不妊の原因の一つになることが報告されています。

身体にフィットするため、ボクサーパンツを好んで履かれている男性は多いでしょう。
実際日本国内では、ボクサーパンツが最も履かれている下着であることが分かっています。

しかしながら、身体にフィットするボクサーパンツは、陰嚢の温度を上昇してしまうため、
精子に悪影響を及ぼす可能性が高くなるのです。

今回紹介する論文では、実際にボクサーパンツを履いている男性と、トランクスなどのパンツを履いている男性を対象に、精子の数や機能に着目して観察を行いました。

尚、この論文は、「Type of underwear worn and markers of testicular function among men attending a fertility center」を和訳しています。

実験方法

2000年から2017年までの17年間にわたり、不妊治療中の男性656人を対象に、
トランクスなどのゆとりのある下着を着用したグループ
(海外では、こちらがボクサー型と表記される)と、
ブリーフやボクサーパンツなど、身体にフィットした下着を着用したグループに分けて、
精子の数や機能などを調べました。

普段ゆとりのある下着(トランクスなど、以下トランクス)を履いている男性は345人で、
普段身体にフィットした下着(以下ボクサーパンツ)を履いている男性は311人でした。

ボクサーパンツを履くと精子に悪影響

普段からトランクスを履く男性と、ボクサーパンツを履く男性の
精子濃度、精子量、精子運動性は以下のようになりました。
トランクスを履いた男性とボクサーパンツを履いた男性の精子への影響の違い

このように、トランクスを履いた男性のほうが、

精子濃度が25%
精子濃度が17%
精子運動性が33%

も高くなりました(有意差あり)。

また、有意な違いはなかったものの、ボクサーパンツを履く男性に比べて、
トランクスを履く男性のほうが、異常な精子の数も少ない結果となっています。

ホルモン濃度にも影響

トランクスを履く男性は、ボクサーパンツをを履く男性と比べて、
FSHという精子形成に関与するホルモンが14%ほど減少する結果となりました。

これは、ボクサーパンツを履くことによって、
陰嚢の温度が上昇し、精巣機能に悪影響を及ぼしたために、
精子を作ろうと過剰にホルモンが分泌されているためではないかと考えられています。

以上のことから、ボクサーパンツはトランクスと比べて、精子形成に悪影響を及ぼす結果となりました。
これは、ボクサーパンツを履くことによって陰嚢温度が上昇してしまったためであることが強く考えられます。

まとめと予防

以上のように、ボクサーパンツとトランクスを履いた時の、精子への影響について説明しました。

ボクサーパンツのほうが、陰嚢の温度が上昇してしまい、精子量、精子濃度、精子運動性のすべての項目が減少してしまうことが分かりました。
過去の研究においても、ボクサーパンツを履くと、精液の質が低くなったり※1)、運動性精子の数が減少する(※2)ということが報告されています。

ですが、安心してください。
精子は卵子と違い常に作られ続けています。
だいたい70日ほどで、新しい精子が射精されるため、生活習慣を変えたら3ヵ月ほどで精子所見がよくなることが知られています。

実際、1年間夜間のみトランクスを履くことで陰嚢の温度を低下させることにより、
精子の質が高まるという報告もあります(※3)
夜だけでもいいので、トランクスを履いたり、ボクサーパンツでもメッシュ構造になっていて陰嚢の温度を下げるパンツなどを検討してみてもいいかもしれません。
(詳しくはこちら

精子に悪影響を及ぼす他の生活スタイルについては精子が熱に弱いのは本当?妊活パンツという提案を参考にしてみてください。

参考論文

論文タイトル;Type of underwear worn and markers of testicular function among men attending a fertility center
著者;Lidia Mínguez-Alarcón et al
雑誌名;Human reproduction (2018)
1論文タイトル;Tight-fitting underwear and sperm quality
著者;C H Tiemessen, et al
雑誌名;The Lancet (1996)
2論文タイトル;Modifiable and non-modifiable risk factors for poor semen quality: a case-referent study
著者;A C Povey et al
雑誌名;Human reproduction (2012)
3論文タイトル;Choice of underwear and male fecundity in a preconception cohort of couples
著者;K J Sapra et al
雑誌名;Androgy (2016)

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