コエンザイムQ10の添加はブタ卵母細胞の機能を向上させる-ミトコンドリア妊活

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10の添加はブタ卵母細胞の機能を向上させる-ミトコンドリア妊活

コエンザイムQ10は電子伝達系の際、補酵素として働くだけでなく、抗酸化物質として働くことが知られています。

そこでこの研究では、ブタの卵母細胞を対象にして、コエンザイムQ10の添加が卵母細胞にどのような影響を及ぼすのかを調べました。

尚この記事は
「CoQ10 improves meiotic maturation of pig oocytes through enhancing mitochondrial function and suppressing oxidative stress」
の論文を解説しています。

コエンザイムQ10の添加は卵子の死亡数が減少した

体外成熟(IVM)を起こす際の培地にコエンザイムQ10を50 mM加えると、ブタの卵母細胞の死亡数は有意に減少しました。
また、卵成熟完了の指標でもある第一極体放出(PB1)の完了した卵母細胞の割合も増加しました。

このことから、コエンザイムQ10は卵母細胞に直接有益な効果与えています。

コエンザイムQ10の添加は胚発生率を向上させる

次にコエンザイムを添加した卵母細胞を胚盤胞期胚まで発生させたときの発生率を確認しました。

すると、何も添加していない区に比べて、コエンザイムQ10を添加した卵母細胞では、胚盤胞期胚までの発生率が有意に向上しました。
(26.3%±4.2 vs 42.5%±4.6 p<0.01)

さらに、胚盤胞期胚における細胞数を計測したところ、コエンザイムQ10を添加した卵母細胞では、細胞数が有意に向上しました。
(33.7 ± 2.8 vs 47.8 ± 4.4 p<0.01)

細胞数は、胚盤胞期胚における質に繋がります。
細胞数が多いほど、妊娠率が向上するといわれています。

このことから、コエンザイムQ10の添加は胚盤胞期胚までの発生率を向上し、胚の質を向上する可能性が示唆されました。

コエンザイムQ10の添加はROSを低下する

コエンザイムQ10は抗酸化物質として働きます。
そこで、コエンザイムQ10を添加したときの酸化ストレスであるROSへの影響を調べました。


この図はコエンザイムQ10を添加した際のROSを蛍光シグナルで計測しています。
緑がROSのシグナルとなります。
コエンザイムQ10を添加した卵母細胞ではROSの蛍光が減少していることが分かります。

コエンザイムQ10を添加した卵母細胞では、抗酸化ストレスであるROSが減少しました。

コエンザイムQ10の添加はミトコンドリアの機能を向上する

コエンザイムQ10は酸化的リン酸化の補酵素として働くことが知られています。

そこで、コエンザイムQ10を添加した際の、酸化的リン酸化を起こすミトコンドリアの機能を確認しました。

この図はミトコンドリアをMito trackerという蛍光色素で染めています。
蛍光量が多いほどミトコンドリアの膜電位が高く、ミトコンドリアの機能が高いことを示します。

図のようにコエンザイムQ10を添加した卵母細胞では、緑の蛍光が強く出ていることが分かります。

以上のことから、コエンザイムQ10を添加した卵母細胞では、ミトコンドリアの機能が向上していることが分かります。

まとめ

今回紹介した論文では、ブタの卵母細胞を対象に、体外成熟を起こす際培地にコエンザイムQ10を添加した際の影響を確認しました。
コエンザイムQ10を添加したところ、

卵成熟が亢進され、死細胞が減少
胚盤胞期胚までの発生率向上
胚盤胞期胚の質向上
卵母細胞のROS減少
卵母細胞のミトコンドリア機能向上

という結果が得られました。

コエンザイムQ10のヒトに対する結果に関しましては、
まとめサイトであるコエンザイムQ10は妊活に関係する?-ミトコンドリア妊活を参考してください。

また、コエンザイムQ10配合葉酸サプリである、マカナについての詳しい解説は
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参考文献

論文タイトル;CoQ10 improves meiotic maturation of pig oocytes through enhancing mitochondrial function and suppressing oxidative stress
著者;Cai-XiaYang et al
雑誌名;Theriogeneology (2020)

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