2022年から大きく変わる?不妊治療の保険適用及び助成金についての今後の流れ

2022年から大きく変わる?不妊治療の保険金適用及び助成金についての今後の流れ不妊治療

2022年から大きく変わる?不妊治療の保険適用及び助成金についての今後の流れ

皆さんは不妊治療で助成金をもらえること、そして不妊治療が今後保険適用へと進んでいくことをご存知でしょうか?

ここでは、現在不妊治療を行っている方と、不妊治療を検討している方向けに、不妊治療にまつわるお金の実態、今後の流れを説明します。

不妊治療にまつわるお金の話

不妊症とはそもそも避妊をしないで性交を続けて1年間子供が産めない状況のことを指します。

不妊症になった際、行われる治療としては

  • タイミング法
    医師の指示したタイミングで性交を行う方法(基礎体温などから排卵日を測定する)。
    費用:数千円ほど。
  • 人工授精
    マスターベーションなどにより採取した精子をシリンジなどにより吸い上げ、膣へと注入する方法。
    費用:1万円から2万円ほど。
  • 体外受精
    卵巣から卵子を採取し、培地の中で(体外で)精子を振りかけることで受精させる方法。
    費用:30万円から100万円。
  • 顕微授精
    卵巣から卵子を採取し、顕微鏡下で精子を卵子へ直接注入する方法。
    費用:50万円から100万円。

このうち、2020年まで保険適用されていたのは、タイミング法のみでした。

そのため、高度不妊治療治療者(体外受精・顕微授精)の平均費用は約190万円という試算も出ています(詳細はこちら)。

これまで不妊治療の保険適用化の議論は行われてきたものの、不妊症が病気と認められなかったために、保険適用には至りませんでした。
(これまで不妊治療が保険適用化されなかった詳しい経緯はこちらを参考ください)

不妊治療保険適用化の流れ

保険適用化へのかじ取りのきっかけは2020年秋に就任した菅義偉元首相が、「不妊治療の保険適用に取り組む」と宣言したことから始まります。

菅首相、不妊治療助成「所得制限を撤廃したい」

これまでも不妊治療に関する助成金は支払われてきましたが、所得制限があることや、実際の治療に見合った助成金が得らえていないことなどから患者の間では保険適用を訴える声が広がっていました。
(体外受精に必要な費用は約50万円(厚労省調査。実際は80万円という試算もある)と言われているものの、助成額は15万円と少なかった)

不妊治療を保険適用するための、大きな問題としては不妊治療に標準医療が存在しないことでした。
(※不妊症が病気と認められていないこと。そして治療方針が様々なため、この治療を行えば妊娠するという治療方法(標準医療)が定まっていなければ保険適用できないといわれてきていた)

また、不妊治療にはオプションというものが存在します。
胚培養の期間やPGT検査、タイムラプスやアシステッドハッチング、胚の凍結もオプションに含まれており、どこまでの治療を保険適用化するのかといったことも問題視されていました。

さらに、クリニックごとに治療方針、治療技術に明確な差があることも危惧されていました。
(全国で平等な診療を受けられるという前提で保険適用されるため、治療成績に差があると問題)

実際大手クリニックは手を挙げて保険適用に賛成することもできませんでした。
例えば、最大手クリニックである浅田レディースクリニックはブログで次のようことを述べています。

①オプションは自費治療となるが、保険診療と自費診療を同日に診療すること(混合診療)は禁止されているがどうするのか。
②排卵などに必要な薬剤は保険認可されていないがどうなるのか。
③不妊治療のレベルが下がるのではないか

政府としては保険適用化に至り、どこまでの治療に対して保険適用するべきか見定めることが必要となり、2022年4月からの保険適用化へ向けて、日本生殖医療学会による不妊治療のガイドラインが作製されることとなりました。
不妊治療保険適用化に向けての今後の流れ

不妊治療助成金拡充

2022年の保険適用化が行われることが決まりましたが、それでは2021年の治療をしている方はどうするのかという問題が生じます。
そこで政府は現行の不妊治療の助成金を拡充することで対応するという方針を取りました。
2021年1月より不妊治療助成金は以下のように変更されました。

所得制限 730万円→制限なし
助成額  15万円/回(初回のみ30万円)→30万円/回
助成回数 生涯6回まで(40歳以上43歳未満は3回まで)→1子ごとに6回まで(40歳以上43歳未満は1子ごとに3回まで)
対象年齢 妻の年齢が43歳未満→変更なし

2022年保険適用化へ

そしてついに2022年不妊治療は本格的な保険適用化が始まります。
現在の方針としては

・体外受精
・男性不妊の薬物治療(勃起薬など)
・不育症のための着床前検査

を2022年までに保険適用化する方針となっています。
(厚労省発表では、2022年4月より保険適用化する方針となっている)

まとめ

ここでは、現在不妊治療をされている方と、今後不妊治療を検討されている方に向けて、不妊治療の保険適用化の流れと、助成金拡充の内容について説明させていただきました。

保険適用化や助成金拡充に伴い、これまでの不妊治療にまつわるお金が大きく変化することになります。
特に現在不妊治療をされている方は、

助成金が拡充された

ということを覚えておいてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました